放射線治療部門
放射線治療は一口に言うと“がん”を切らずに治す方法です。
放射線治療の歴史は、レントゲン博士がエックス線を発見した明治28年に始まります。 その後、治療機器、治療技術の開発、また放射線生物学の進歩に支えられ、放射線治療は、手術療法・化学療法と並ぶ がん治療の3本柱のひとつとして現在広く用いられるに至っています。
アメリカではがん患者の50%に行われている放射線治療も、日本では無用な恐怖心・無理解もあって、
普及が十分でなくがん患者全体の20%になされているに過ぎません。
しかし、今後は急速な高齢化に伴って手術に耐えられない患者さんが増えます。また治療法を決めるにあたってこれまで以上に
QOL(生活の質)を十分考慮するようになります。そういったとき放射線治療はこれらの条件に十分満足する治療法だといえます。
放射線という言葉を聞くととても恐いと思われる方も多いと思います。しかし決して恐ろしいものではありません。 放射線は目で見る事はできません。また身体にあたっても何も感じません。 当然、痛みも感じません。
患者さんは台の上に寝ているだけで、放射線が、がんに集中して照射され治療します。 放射線治療は手術療法とは違い、臓器を摘出せずにがんとその周辺に放射線をあてて治す方法で、機能と形態の温存が可能ながん治療法です。 特に現在では、コンピュータや治療機器の発達により、正確な線量を的確にがんの部分に照射する事が可能となりました。
市立砺波総合病院放射線治療部門でも平成29年6月に3代目の装置と設備に入れ換え、 様々な方法を用いたバランスの良い放射線治療が可能になりました。
3代目の装置であるElekta Synergyは、リニアックのガントリ部にkVの撮影装置(XVI)を装備した、
革新的なイメージガイド放射線治療(IGRT)用リニアックです。
XVIは、単発撮影や連続撮影だけでなく、コーンビーム技術による3次元のCT画像を撮影することができます。
実際の治療内容、その流れなど詳しいことは放射線治療科受付でお聞きください。
なお、日々の放射線治療は5名の診療放射線技師が交代で担当しています。
当院の主な設備
- リニアック(Elekta Synergy)
- 放射線治療計画用CT(SIEMENS SOMATOM Definition AS Open)
- 放射線治療計画装置(Elekta Monaco)
- 放射線治療計画支援ソフト(MIM Maestro)
- 呼吸モニタリング装置(APEX Abches)