核医学検査部
胸部のX線写真やCT検査では、からだに放射線(X線)を当てて人体の吸収差を画像にしています。
RI検査では、からだに放射性医薬品(RI)を投与してからだから出てくる放射線(γ線)をカメラで収集して画像を作ります。
通常の検査では薬の投与後15分から20分かけて撮影します。検査の内容によっては撮影日が異なる事もあります。
この検査の特徴として、薬の種類によっていろいろな臓器や組織に集まり、その形態や機能的な情報を画像解析して、
核医学専門医が診断いたします。
検査に使用される放射性医薬品(RI)の量はごく微量で有効期限が短く、人体が受ける被ばく線量は少なくて済みます。
当院の核医学部門
経験豊富な核医学専門医1名、放射線を撮影するガンマカメラ装置の操作や画像の作成をする診療放射線技師1名、
核医学検査のスケジュール説明や撮影中の患者さんの状態をみていてくれる看護師1名の計3名で日々従事しています。
代表的な検査は脳血流シンチ、ドパミンシンチ、心筋シンチ、骨シンチ、ガリウムシンチですが、他にも多くの核医学検査をおこなっています。
脳血流シンチ
頭の中の血のめぐりの状態がわかる検査です。脳血流の異常を知ることで脳梗塞に陥った部位の広がりを知ることができます。
また、アルツハイマー病などの認知症の診断にも役立つ検査です。
ドパミンシンチ
パーキンソン病の原因である脳内のドパミン神経細胞の減少がわかる検査です。
パーキンソン病になるとドパミン神経細胞が減少しドパミンが十分に作られなくなり、その結果、体の動きや自律神経に障害があらわれます。
心筋血流シンチ
心筋シンチは心臓の筋肉の状態がわかる検査です。心臓に酸素や栄養を送る冠動脈が細くなると心筋は虚血状態になります。
心筋血流シンチはCTや血管造影で知ることのできる冠動脈の形ではなくその先の心筋細胞の状態がわかる検査です。
骨シンチ
私たちの骨は常に代謝(再生と破壊)を繰り返しています。骨に異常があるとその代謝のバランスがくずれます。
骨シンチは骨の代謝の状態がわかる検査です。特に悪性腫瘍の骨への転移の診断に役に立ちます。
ガリウムシンチ
ガリウムは腫瘍や炎症に集まる性質があります。ガリウムシンチはこの性質を利用し身体のどの部位に異常があるのかがわかる検査です。