臨床病理科

病理医紹介

氏名 所属学会等 卒業年 専門分野
中嶋 隆彦 日本病理学会専門医・研修指導医
日本病理学会評議員
日本臨床細胞学会細胞診専門医
平成12年卒 病理学

当院臨床病理科の特徴

臨床病理科は、現在3名の常勤病理医、3名の非常勤病理医と6名の臨床検査技師で、 院内外合わせて年間病理組織約4,500件、細胞診約5,500件、病理解剖約10件をこなしています。
当院病理の特徴は、有機溶剤のホルマリン、キシレン、アルコールをリサイクルしている点であります。 それらをリサイクルすることにより、環境やコストダウンに努めております。
また、学術発表も盛んで、毎年多くの学術集回にも発表しております。
詳しくは、病理内の各々ページをご参照ください。

臨床病理科は何をするところ?

患者さんの適切な治療のために適切な診断が必要です。そのために、患者さんの病変の組織や細胞を採取し、顕微鏡観察用のガラス標本を作り、 この標本を顕微鏡で見て診断するのが病理診断です。
病理診断は最終診断として大きな役割を果たします。このような診断をするところが臨床病理科です。
当院の臨床病理科は、次にあげるような事を行っています。
  1. 1.生検組織診断
  2. 2.手術で摘出された臓器・組織の診断
  3. 3.手術中の迅速診断
  4. 4.細胞診断
  5. 5.病理解剖
これらの病理診断は、専門資格をもった病理医が行っており、病理診断は主治医に報告され、治療にいかされます。

1.生検組織診断
 治療方針を決めるために病変部の一部をつまみ採ったり、切り取ったりして病変部の一部の組織を標本にします。 この検査を生検といいます。その診断を生検組織診断といいます。

2.手術で摘出された臓器・組織の診断
 手術により摘出された臓器や組織は、病理医が肉眼で病変の部位、大きさ、正常、広がりを確認し、診断に必要な部分を切り取ります。 国家資格を持つ臨床検査技師が、切り取られた部分から顕微鏡標本を作製します。 病理医が標本を観察し、どのような病変がどれくらい進行しているか、手術で採りきれたか、追加治療が必要か、 癌の場合、タチの悪さや転移の有無など、治療方針の決定に役立つ情報を提供します。

3.手術中の迅速診断
 手術前に生検ができない病変が体の深い部分にあり生検検査が難しい場合に、手術中に病変の一部をガラス標本を作製し、 術中迅速診断を行います。また、病変が採りきれたかどうかの確認のため、手術中に取り出された臓器・組織の断端を調べたり、 がんの転移が疑われる部位を調べて手術で切除する範囲を決める場合にも行われます。 約15分ぐらいで結果が出ますが、検体が多い場合はもう少し時間がかかる場合があります。

4.細胞診断
 肺がんや膀胱がんでは、痰や尿の中に癌細胞が混じることがあります。 胸水、腹水、痰や尿を顕微鏡で調べてがん細胞がいるかどうか判断します。 また、婦人科では、子宮から細胞をこすりとって調べたり、のどや乳房では細い針を刺して吸引して細胞を採って、 がん細胞がいるかどうか調べます。

5.病理解剖
 ご遺族の承諾のもとに、病死された患者さんのご遺体を解剖させていただくのが『病理解剖』です。 生前の診断が正しかったのか、どのくらい病気が進行していたのか、治療が適切だったのか、治療の効果はどれぐらいあったのか、 死因は何か等を判断します。

組織や細胞の採取は、外科医・内科医・婦人科医等の臨床医が行いますが、標本を観察し病理診断するのは病理医です。 病院内の裁判所の裁判官みたいな仕事です。