診療科
外科
心臓血管外科
科の特色
心臓、血管(動脈、静脈)にかかわる病気の診断、静脈の病気(下肢静脈瘤)の手術、下肢のリンパ浮腫の診療を行います。
平成25年1月から下肢静脈瘤に対し血管内レーザー焼灼術を行っています。
患者さんの状態に合わせて下肢静脈瘤抜去切除術と血管内レーザー焼灼術のどちらが適切か判断して手術を行っています。
(詳細は下欄の最新治療情報を御覧ください。)
下肢の浮腫(むくみ)の原因の一つにリンパ浮腫があります。当科ではリンパ浮腫の診断と治療を行います。
心臓・動脈の病気などは金沢大学附属病院心臓血管外科などと連携して治療にあたります。
診察する主な病気(病名)
- 動脈瘤(胸部、腹部、末梢動脈)
- 閉塞性動脈硬化症
(病院広報誌おあしすVol. 20M、 あるいは平成21年3月の広報となみ掲載記事を参照ください。) - 下肢静脈瘤(平成21年5月の広報となみ掲載記事を参照ください)
- 静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症)
(平成22年2月の広報となみ掲載記事を参照ください。) - リンパ浮腫、透析用シャント作成など
診療医紹介
氏名 | 卒業年 | 専門分野 | 所属学会等 |
---|---|---|---|
小杉 郁子 | 平成6年 | 血管外科 | 日本外科学会専門医・指導医 日本消化器内視鏡学会専門医 日本脈管学会認定脈管専門医 日本旅行医学会認定医 日本静脈学会学会員 日本血管外科学会会員 日本胸部外科学会会員 International Union of Angiology 会員 日本救急医学会会員 Infection Control Doctoer(ICD) 下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術の実施基準による実施医認定 下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術の実施基準による指導医認定 日本DMAT隊員 ACLS Experienced Provider |
スマートフォンの場合は、横にスクロールしてご覧ください。
年間治療(手術)状況
2009年~2022年の主な手術は次のとおりです。
手術名 | 2019年 1~12月 |
2020年 1~12月 |
2021年 1~12月 |
2022年 1~12月 |
|
---|---|---|---|---|---|
下肢静脈瘤 抜去切除術 | 7例 | 2例 | 1例 | 4例 | |
下肢静脈瘤 レーザー | 34例 | 29例 | 13例 | 25例 | |
下肢静脈瘤 瘤切除 | 1例 | 2例 | 2例 | ||
下肢静脈瘤 高位結紮術 | 8例 | 4例 | |||
透析用内シャント作成術 | 29例 | 31例 | 10例 |
手術名 | 2014年 1~12月 |
2015年 1~12月 |
2016年 1~12月 |
2017年 1~12月 |
2018年 1~12月 |
---|---|---|---|---|---|
腹部大動脈瘤 | 0例 | ||||
末梢動脈血行再建術 | 0例 | ||||
閉塞性動脈硬化症に対する 経皮経管的血管形成術 |
0例 | ||||
下肢静脈瘤 抜去切除術 | 45例 | 44例 | 47例 | 31例 | 21例 |
下肢静脈瘤 高位結紮術のみ | 0例 | 6例 | 12例 | 6例 | 8例 |
下肢静脈瘤 静脈瘤切除術のみ | 2例 | 3例 | 1例 | 1例 | |
下肢静脈瘤 レーザー焼灼術 | 41例 | 57例 | 41例 | 27例 | 11例 |
透析用内シャント作成術 | 8例 | 9例 | 13例 | 21例 | 14例 |
血栓除去 | 5例 | 4例 |
手術名 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 |
---|---|---|---|---|---|
腹部大動脈瘤 | 1例 | 0例 | 1例 | 0例 | 0例 |
末梢動脈血行再建術 | 10例 | 5例 | 3例 | 1例 | 2例 |
閉塞性動脈硬化症に対する 経皮経管的血管形成術 |
5例 | 4例 | 3例 | 2例 | 3例 |
下肢静脈瘤 抜去切除術 | 50例 | 59例 | 55例 | 40例 | 66例 |
下肢静脈瘤 高位結紮術のみ | 1例 | 1例 | |||
下肢静脈瘤 静脈瘤切除術のみ | 0例 | 1例 | |||
下肢静脈瘤 レーザー焼灼術 | 0例 | 26例 | |||
透析用内シャント作成術 | 5例 | 19例 | 21例 | 20例 | 15例 |
最新治療情報
1)動脈瘤について
動脈瘤は動脈の直径が大きくなった状態をいいますが、一般的に症状のない病気です。
ある一定の大きさ以上になると破裂する危険性が高まり、もし破裂すると致命傷となります。
2006年までは腹部大動脈瘤に対する標準治療法は人工血管置換術でした。
2006年からは新たな治療法として瘤内ステントグラフト内挿術が厚生労働省から認可され、行える症例も増加しています。
その適応の患者さんは金沢大学附属病院心臓血管外科にて治療をうけていただきます。
ステントグラフト内挿術は従来の開腹手術と比較すると局所麻酔で行え、低侵襲※で良好な成績を収めている画期的な治療法です。
また、胸部大動脈瘤に対する治療法としても同様で、ステントグラフト内挿術の施行数は確実に増加しており、良好な成績です。
※低侵襲とは・・・患者さんの負担が少ないこと
2)下肢静脈瘤について
下肢静脈瘤抜去切除術は当疾患の根治術です。入院期間は平均2日間(1泊2日)、手術当日入院し、翌日退院です。
手術は下半身麻酔で、片足あたり1時間から1時間半かかります。
足の筋肉や関節には影響しませんので翌日には食事・歩行も可能、通常通りの生活にすぐに戻っていただけます。
下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術は、下肢静脈瘤抜去切除術では引っ張って抜いてしまう大腿部の静脈あるいは 高位結紮術で結紮(しばってしまうこと)する膝裏の静脈にカテーテルを入れてレーザーの熱で焼いてしまう方法です。 手術にかかる時間は抜去切除術とほぼ同じ(片足 約1~1.5時間)ですが、麻酔方法は下半身麻酔か、局所麻酔を選択していただけます。 手術のあとは抜去切除術と同じです。この手術を局所麻酔で行う場合、理論上は日帰り手術も可能ですが、 術後合併症※※を起こしていないかを手術当日のうちに評価するため、原則1泊2日で行っています。手術当日入院し、翌日退院です。
※※合併症とは・・・手術や治療により起こりうる問題点のこと
心臓血管外科からのお知らせ
平成26年4月1日からの診療について
平成26年4月1日から心臓血管外科の常勤医師が不在となり、今後の診療体制が以下のように変わります。
1)外来診療について
月曜日 小杉医師による診察。
午前:手術がありますので予約患者さんのみの診察です。
午後:2時~4時(原則として予約制です。)
第1、第3火曜日 金沢大学附属病院心臓血管外科の医師による診察。
午後:2時~4時(予約制です。)
- これ以外の日は心臓血管外科医は不在です。
- 初めて心臓血管外科を受診される方は来院前に外科外来に電話され、当日の診療予定を確認されるようお願いします。
- これまでに何らかの治療を受けた方、何らかの内服をしている方は、できる限りかかりつけ医からの紹介状を持参してください。
下肢静脈瘤の治療について
平成25年1月から下肢静脈瘤に対するレーザー治療を開始し、多くの患者さんが当院で治療を受けておられます。 今後も当院での治療を希望される方の御希望に添えるよう、月曜日の午前中に手術を行います。
常勤医が不在となることで皆様にご不便、ご迷惑をおかけすることになり、まことに申し訳ございませんが、なにとぞご理解下さいますようお願い申し上げます。